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イギリス生まれのアイザック・ウォッツが、旧約聖書詩篇98編「賛歌」をもとに1719年に書いた詩に、1世紀以上経った1836年、アメリカ人のローウェル・メイソンが曲をつけたものです。今では賛美歌(112番)としてももっとも有名なもののひとつですが、クリスチャンでなくても世界中の人々が愛唱していますね。日本語では上にあげた小林愛雄の作詞した「もろびとこぞりて」に人気が集中していますが、厳密にいうとこれは上の詩からの訳ではなく、1735年に出たフィリップ・ドドリッジ(Phillip Doddridge, 1702-1751)という人の「聞け、よろこびのうたを!」(Hark, the Glad Sound!)に基づいた作詞です。以上の3者がうまく合体してセットとなったものと考えられますが、やはり歌われるのはクリスマス・シーズンが圧倒的に多いですね。高低・音節に無理がなく歌えるのも人気の理由のひとつでしょう。では例によって、少し語句の説明をしておきましょう。
Joy to the World「世界に喜びを」、the Lord is come「主が来られた」、完了形の1種です。Let「…させよ」、使役の助動詞です。prepare Him room「主を入れる余裕を準備する」、their songs employ = employ their songs「彼らの歌をうたう」floods「河川、湖沼」、rocks「岩山、岩石」、sounding joy「轟く喜び」、No more「これ以上…しない」 thorns infest「イバラ、雑草が蔓延る」、Far as =As far as「…する限り」、with truth and grace「真実とやさしさで」、nations「国家、国民」、prove「証明する、正しいことを示す」、righteousness「正しさ」、wonders of His love「主の愛の素晴らしさ」。
では、最後になるべく原詞に近い訳をしておきましょう。