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「ロンドン橋落ちた」。マザーグースの唄のひとつですが、これも世界中で愛唱されてきました。“London Bridge is falling down,” と歌いだすものもありますし、ヴァージョンによってはこの他の歌詞も多少変化します。先のメアリさんのヒツジと同じく、一種のストーリーになっているところが人気の秘密でしょう。
しかし、この唄の持ち味は、意味もさることながら、やはり発音だと思います。英語には強形と弱形があること、特に弱形の方が大事なことは、前にも話しましたね。一語一語はっきりと、は英語にはあてはまりません。弱い音は聞こえないこともあります。だからといって、発音していないのかというと、そんなこともありません。では、発音しているのに耳には聞こえない音とはどんな音なのでしょうか。一番はそんなにむずかしくありませんが、二番以降で詰まるひともあるでしょう。“Build it up with wood and clay,” を、タンタタンタン タンタンタン、の中に歌いこむためには、with までを前半にいれなくてはなりません。it と with と and が弱形になっているのです。三番から九番までの歌い方で鍵を握るのはやはり、弱形の and です。Bread and butter (バターを塗ったパン)、watch and chain(鎖のついた時計)などの and は、軽く「ン」と発音するだけですが、これらと同じだと考えてください。以下、 brick and mortar, iron and steel, silver and gold, なども同じ注意が必要です。特に、 silver and gold できちんと発音すべき音と弱形で発音される音には気をつけましょう。
今ひとつ、11番の Suppose ですが、これは命令形で、「次のことを想像してみなさい」ですから、Ifと同じ意味になります。この節のなかに should が入りますと、起こりえないこと、あるいは可能性が非常に低いことを仮定しますから、「万が一」の意味が加わります。 Suppose (If) the sun should rise in the west, 「万が一太陽が西から昇るようなことがあれば(あっても)」のように使います。なお各番の最後についている My fair lady は「わたしの綺麗なご婦人」という意味ですが、はやしことばみたいなもので、歌の内容とはあまり関係ありません。
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