Long, Long Ago
久しき昔

作詞・作曲:ベイリー/訳詞:三宅忠明


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まず、きいてみよう→
そして、よんでみよう!→

よくきいて
発音をまねしてみよう!!

うたうためにはまず聞き取ることが大事です。
なんども聞いて英語のリズムを覚えましょう!
耳でおぼえよう!

「かきに赤い花さく、いつかのあの家」で始まる「思い出」という歌を、私は昭和25(1950)年に小6の音楽の授業で習いました。「柿に赤い花咲く」とばかり思っていましたから、「かき」は柿ではなくて垣なんだということを知ったのはずい分あとになってからでした。家の庭にあった柿の木に赤い花が咲いたのを見たことがありませんでしたから、不思議でたまらず、先生に柿の花に赤いのがあるんですか、と質問したことを覚えています。先生の答えは、「秋にたくさんの柿が赤く実り、まるで花が咲いたように見えるさまだよ」でした。とても詩的な情景を思い描いていましたから、垣と知らされたときは少しショックでした。今でも詩の解釈はいくつあってもいいと思っています。さらに、この歌が日本独自のものではなく、イギリス人のベイリーというひとが19世紀の前半に作っていた、Long, Long Ago であったことを知ったのは大学生になってからでした。しかも、大正2(1913)年の時点で、すでに下のような近藤朔風の名訳が出来ていたことも分かりました。それでも当時の中学生や高校生はみんな日本語訳よりも英語の歌詞で歌っていたということですから、現代人も負けずに歌いたいものですね。

久しき昔(訳詞:近藤朔風)1913

語れめでし真心 久しき昔の、
歌えゆかし調べを 過ぎし昔の。
なれ帰りぬ ああうれし
永き別れ ああ夢か。
めずる思い変わらず 久しき今も。

いとし小道忘れじ 久しき昔の
げにも堅き誓いよ 過ぎし昔の
ながえまい 人にほめ
なが語る 愛に酔う
やさしことば残れり 久しき今も

いよよ燃ゆる心や 久しき昔の
語る面はゆかしや 過ぎし昔の
永く なれと別れて
いよよ知りぬ 真心
共にあらば楽しや 久しき今も

この部分を直訳すると、

はるかな、はるかな、昔(訳:三宅忠明)

ぼくにとってとても懐かしかったあの話をしてくれ、
むかしむかしの。
ぼくがよろこんで聞いたあの歌をうたってくれ、
むかしむかしの。
今きみが帰り、ぼくの悲しみはすべて取り除かれた。
きみがあんなに永く放浪していたことを忘れさせてくれ。
きみがむかしながらに今もぼくを愛していることを信じさせてくれ。
むかしむかしながらに。

ぼくたちが出会った小道をおぼえているかい、
むかしむかしの。
そうとも、きみはけっして忘れないと言ってくれた、
むかしむかしに。
他の誰よりも ぼくの笑顔が好きと言ってくれたね。
きみが話すとき、愛がことばひとつひとつに魅力を添えた、
今でもぼく心はきみの賞賛のことばを大切にしてるよ、
むかしむかしの。

きみの優しさで希望が湧いてきたよ、
むかしむかしに。
きみの方がずっと賞賛されていた、
むかしむかしに。
でもながく別れて、きみの真心が分かったよ、
今でもきみのことばを聞くと誇らしい、
きみのとなりに座っているだけでとても幸せだった、
むかしむかしに。

ですから、朔風の訳がいかに正確なものであったかが分かりますね。当時の外国曲がほとんど原詞から大きくかけ離れた替え歌であったことを思えば、この訳はきわめて例外的と言えるでしょう。
 最後に英語表現について少し説明しておきましょう。tales, songsはともに関係代名詞の節を従がえますが、前者にはto meが挿入され、後者からは関係代名詞(thatないしwhich)そのものが省略されています。これは歌いやすくするために音節をそろえた結果です。これに対して2番1行目のwhere以下はpathsを修飾しますが、場所を表わしますから関係副詞と呼ばれます。prefer tolike betterの意味です。I prefer coffee to tea.=I like coffee better than tea.のように使います。Love gave a charm to each word.「愛がひとことひとことに魅力を与える=愛しているからひとことひとことが魅力的に聞こえる」のlove を無生物主語といいます。treasureは「宝物」ですが、動詞では「(宝物のように)大切にする」という意味になります。raise「持ち上げる、引き起こす」、eloquent「雄弁な」be tried「試される、試練に会う」be blessed「祝福された=とても幸せな」などに注意してください。